これまでの講座では、宇宙の遙か彼方の星々を描いてきましたが、いよいよ身近な惑星の作画法に入ります。 今までより複雑な作画法になりますが、変動数値と完成画像の関連性を理解すれば、さほど難しくはありません。
では、最初に基本となる地球を描いてみましょう。 下の画像をご覧下さい。 いろいろなアングルの地球を描くことができます。
■画像データA
■画像データB
しかし、これまでのように、記号式だけで描くことはできません。 次のような地図画像データ(グローバル・モザイク画像データ)が必要です。
地球グローバル・モザイク画像データ A (実寸:1500×768 JPEG)
Produced by:galileo-giken.com
Copyright:Free(このデータを使用する場合は、画像名称が earthmap.jpg になります)
Produced by:NASA/GSFC
この地図画像データを記号式で作成した球体に貼り付ければ「地球」の完成です。 もっとリアルで大きな地図画像データが必 要ならば、NASAのHPを訪問して探してみてください。 では、地球画像データ A を使用して、実際に描いてみましょう。
① 地球画像データ A をDLしてマイドキュメントに保存してください。 (※記号式と同じフォルダに保存しないと作画できません)
② 地球画像データ A の三つのサンプル画像の記号式をコピーして入力ステージに貼り付け、作画して下さい。
いかがでしょうか? サンプル画像と同じ画像が簡単に描けたはずです。
次に惑星作画の記号式を説明致します。
下図は惑星作画法の基本記号式(上図画像データA No.1)です。記号式には今までにない「カメラ」「照明」「地球」が新たに加わりました。 照明(太陽)が地球を照射し、それを撮影するカメラが必要となったわけです。
この基本記号式を理解する為に、下図の基本座標図を覚えてください。 カメラ、照明、地球の位置は下図の通り、X・Y・Z軸の交点で表示されます。 基本記号式は、X軸0、Y軸0、Z軸-4の位置にあるカメラから、X軸0、Y軸0、Z軸0にある地球を撮影し、照明(太陽)はカメラの真後ろX軸0、Y軸0、Z軸-5にあるという内容を表しています。
では、この基本記号式をコピーして赤数字を変え、画像の変化を試してみて下さい。 変化させる数値は 0.1 から可能です。
最後の rotate の赤数字のみ 0.1 から 360 の度数範囲で変更可能です。
赤数字以外は定型パターンですので、そのままにしておいて下さい。
#declare star_count = 10000;
#declare star_scale = 0.3;
#declare star_colour_turb = 1;
#include "GALAXY.SF"
camera {
location <0,0,-4>
look_at <0,0,0>
}
light_source {
<0,0,-5>
color rgb 2
}
object {
sphere {<0 , 0 , 0> , 1.}
texture {
pigment {
image_map {
jpeg "earthmap.jpg" map_type 1
}
}
}
rotate <0,0,0>
finish {
ambient 0
}
}
■ 細部説明
それでは、各項目別に数値を変えた画像を掲示しますので、数値と変化の関連性を覚えて下さい。
■ カメラ
(1) カメラの位置 location
注 : X軸「0」、Y軸「0」の場合、Z軸の数値を変化させても画像の変化はありません。
■ 照明(太陽)
注:Z軸をー方向に一定以上移動させても画像の変化はありません。
(2)照度 color rgb
■ 惑 星
(1)画像データ
jpeg "earthmap.jpg" map_type 1
この記号は、JPEG 仕様の earthmap という名前の画像を球体に貼り付けるという意味です。仮に BMP 仕様の moon という名前の画像を使用すると次のようになります。
bmp "moon.bmp" map_type 1
(2)回転角度 rotate
上図は回転角度の座標図です。 カメラ、照明 に使用した位置座標図とは違います。三軸共、正の方向から右回りに回転します。<>内に 0.1~360 の度数値を入力して下さい。 各軸共、数値の前にマイナス符(-)を冠すれば、逆方向に回転します。カメラと違い、地球自体の回転変化ですので、照明に左右されることがありません。